クラウドサービスの基本<前編>:仮想サーバー編

2016年7月5日by 林雅之

「クラウドサービスの基本」について前編、後編に分けてお届けいたします。前編は、最も基本となる仮想サーバーについてご紹介いたします。

仮想サーバーとは?

クラウドサービスにおいて、最も基本となるのが仮想サーバーです。

仮想サーバーは、一台の物理サーバーを仮想的に分割し、それぞれ個々のOSやアプリケーションを動作できます。

クラウドサービス事業者では、物理サーバーをクラウドサービスとして提供するベアメタルサーバーを提供している場合もあります。 仮想サーバーの設定は、セルフサービスのポータル画面から、仮想サーバーを約数分程度で起動でき、停止、再起動、削除など、利用状況に応じて、柔軟に仮想サーバーのリソースを変更できます。

価格設定について

仮想サーバーのプランは、仮想CPUが2CPU、メモリ容量が4GBといったように、仮想CPUの性能やメモリ容量によって、価格が決められています。

仮想サーバーの利用料金は、時間課金が一般的で、仮想サーバーの起動時には1時間あたり20円、停止時時は10円といったような価格体系となっており、2CPUとメモリ容量が4GBの場合、月額料金5,000円といったように月額上限付きで価格設定をしている場合もあります。

仮想サーバーでかかるコストには、仮想サーバーへのアップロードとダウンロードによるデータ転送量の費用がかかる事業者と、データ転送量を無料にしている事業者があります。

仮想サーバーには、仮想サーバーに割り当てるディスク容量となるルートディスクがあります。ルートディスクは、仮想サーバーの選択時に標準で実装されていますが概ね数十GBとなっています。利用用途に応じて追加のディスクを選択する必要があります。追加できるディスクには、HDDによる標準的なプランから、SSDによる性能重視のプランなどの要件や、10GBから1TBまで容量を選択できます。

仮想サーバーのオプションについて

仮想サーバー利用時には、さまざまなオプションがありますので、代表的な機能をご紹介しましょう。

クラウドサービスの多くは、仮想サーバーの利用時に、「リージョン」および「ゾーン」を選択できます。「リージョン」とは、たとえば、東日本リージョン(東京)、西日本リージョン(大阪)、米国リージョンといったように、独立した地理的に離れた地域となります。

「ゾーン」は、同一の「リージョン」内においての独立したロケーションとなります。 Aリージョンにメインサイト、Bリージョンにバックアップサイトを用意しておくことで、ディザスタリカバリ(DR)やBCP対策に有効です。

リージョンには、複数の異なるロケーションのゾーンが設けられ、ゾーンの複数選択によるマルチゾーンによりシステムの冗長化や負荷分散をするといったことも可能です。 システムの冗長化や負荷分散には、ロードバランサーの機能を使います。ロードバランサーは、外部からのWebトラフィックを、(平均同時接続TCPセッション数が、一定の閾値を超える等)トラフィック量に応じて、自動で複数の仮想サーバーに振り分けることで負荷を分散し、より仮想サーバーのスケーラブルなシステムを簡易に構築できます。

オートスケールは、アクセスが集中した際などの外部からのWebトラフィック量のアクセス負荷(サーバーのCPUやメモリの高使用率等)に応じて、自動的に仮想サーバーの台数を増減させる機能です。突発的な大量アクセスの集中への対応が可能になるとともに、アクセスが少ないときは仮想サーバーの台数の減らすことで、余分なコストを抑えることができます。

定期スナップショット(バックアップ機能)では、手動および利用者が設定した時間(週次、月次)にて自動的に仮想サーバーのディスクのバックアップを取得し、複製を作成できます。

後編は、ストレージ・ネットワークについてご紹介いたします。