クラウド環境の運用監視/ジョブコントロールに必要なこと

2015年11月4日by 澤井健

オープンソースの統合運用管理ソフトウェアであるHinemosは、Cloudn対応の機能を無償のオプションとして2014年4月にリリースしました。

Hinemosクラウド管理オプション

本記事では、「クラウド環境の運用監視/ジョブコントロールに必要なこと」と題して、クラウド環境の運用において、どのようなことが課題か、以下の2つの観点でご紹介します。

  • 外部のソフトウェア(Hinemos)に求められた機能/要件
  • 作り込みは厳しく製品対応が望まれた機能/要件

課題

クラウド環境の運用において、主にIaaSを利用したシステムでは次のようなことが課題に上がります。

仮想サーバーの自動検知/追尾

柔軟な仮想サーバーの増減が可能であったり、機能としてAutoScalingが用意されているCloudnでは、この仮想サーバーの自動検出に関しては、最低限クリアしないといけない課題になります。

本来、監視やジョブといったアクションは「存在する」仮想サーバーに行う、といったものではなく、「監視すべき(またはジョブを実行すべき)」仮想サーバーに行います。例えば、仮想サーバーが誤って削除された場合、削除されたことに気が付くには、削除される前の状態を知る必要があります。(削除されたイベントを監視するという手段もありますが。)

そのため、管理する側としては、Cloudn上の仮想サーバーがどのような構成で動作しているかを記憶しておき、そして定期的にCloudn上の構成情報(削除された・追加された)をアップデートする必要があります。運用管理ソフトウェアを使用する場合、Cloudn上の仮想サーバーの構成情報を、そのソフトウェアに反映する必要があり、これが結構手間になります。


図.変化する仮想サーバの構成の把握が難しい

監視やジョブの自動実行

仮想サーバーの自動検知/追尾は、監視やジョブコントロールを自動化するための基盤機能になります。では、単に仮想サーバーの増減を検出しただけで、これらが実現できるわけではなく、「どのようなサーバーか」を特定し、それに合わせた監視やジョブコントロールが自動的に動作するように処理する必要があります。

業務カレンダの連携

監視やジョブコントロールにおいて、非常に重要となるのが「業務カレンダ」を定義できるか否か、です。

一般的にクラウド事業者のもつモニタリング、ジョブ系のサービスについて、その多くはインフラに連動したものが多く、業務視点でのコントロールが出来ないものが殆どです。

例)インフラに連動したモニタリングの制御
仮想サーバーが削除・停止 → モニタリングが停止
仮想サーバーが作成・起動 → モニタリングが開始

例)業務カレンダに連動したモニタリングの制御
仮想サーバーは起動中だが、
オンライン中はリソース監視を実行
バッチ処理中はリソース監視を停止(過負荷な状態となるのでアラート発生を抑制)

またいわゆるシステム運用で要件となる、祝日はシステムを停止させ監視やジョブを抑制したい、といった制御を効率的に行う必要があります。


図.業務カレンダに従い監視やジョブを実行する

起動停止の制御

Cloudnでは、仮想サーバーを停止すると料金が約半額程度になります。そのため、必要に応じて仮想サーバーを追加・削除するといったことをするのではなく、単に仮想サーバーを起動・停止するだけでクラウド利用料金の削減になります。

例えば、毎週日曜日しか動作させないサーバーあった場合に、月曜から土曜までを停止していると、利用料金は大よそ4/7程度になります。このとき、必要となるのは仮想サーバーを起動、停止する処理をスケジュール実行する必要があります。

SaaSとソフトウェア

クラウド環境の運用管理にSaaSを利用するといったことが流行っていますが、
・そのSaaSが障害になったらどうしよう
・しらないSaaSベンダにクラウドのアカウントを登録するのは怖い
といったことがあり、自前で運用管理基盤を構築するため、ソフトウェアが必要という声も聞きます。

ハイブリッドクラウド対応

実際にするかは別として、今後のシステム拡張やシステム統合に際して、他のパブリッククラウドサービス(AWSやMicrosoft Azure)やプライベートクラウドサービス(Enterprise Cloud)と合わせて使いたい、という要望があります。

実現方法/解決策

Hinemosは、統合運用管理ソフトウェアという製品の特徴上、監視・ジョブ管理・カレンダ制御などを基本機能としてもち、Cloudn対応として、仮想サーバーの起動・停止や作成・削除に伴う自動検知・自動追尾の仕組みがあります。また、自動検知時には、仮想サーバーのタグを利用してサーバーの種類を特定し、サーバーの種類にあわせた監視やジョブコントロールが自動的に動作させることが可能です。

これらの実際の現場からあがった課題を解決したHinemos及びCloudn対応の機能を無償で公開していますので、Cloudnを使ったシステムの運用ツールの選択肢の1つとして検討頂ければ幸いです。

関連リンク
クラウド管理スタートアップ for Cloudn(環境構築編)
※Hinemosについては、以下のサイトよりお問い合わせください。
Hinemos(セールスパートナーとのコラボレーションサービス)
Hinemosポータル