クラウド・エヌのObject StorageとqBackupでオフサイト・バックアップの仕組みを構築する

2017年2月3日by qBackup開発チーム

1. 概要

情報技術の発展により、個人、法人が保有する情報データの量は急速に増加しています。また、その量だけでなく質という点でも様々な重要度の高いデータが生み出されています。重要なデータを不慮の事故による損失から守るには、定期的なバックアップが必要になります。

バックアップ方法としてまず考えられるのは、バックアップ対象のコンピュータから外付けハードディスク等の外部の記憶装置にデータをコピーすることです。このバックアップを行うことで、コンピュータが故障した際にバックアップデータから復元することができます。この方法には一つ問題があり、バックアップ対象のコンピュータとバックアップデータが地理的に近い場所(同一の建屋内など)に存在する場合、両方のデータを同時に喪失する可能性があるということです。自然災害の多い日本において、この可能性は決して無視できるものではありません。この問題に対する解決策がオフサイト・バックアップです。これは、バックアップ対象のコンピュータとバックアップデータを地理的に離れた場所に置くものです。

オフサイト・バックアップにもいくつかの方法が考えられますが、クラウドサービスが普及した現在では、低コストかつ容易に実現することができるようになりました。クラウドサービスを利用する場合、セキュリティ、信頼性、コストなどを考慮し適切な方法を選択する必要があります。ここでは、バックアップ先としてNTTコミュニケーションズのCloudn Object Storage (オブジェクトストレージ)、バックアップソフトウェアとして クオリードのqBackup を使用したオフサイト・バックアップの方法をご紹介します。

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2. Cloudn Object Storageについて

CloudnのObject Storageは、NTTコミュニケーションズが提供するクラウドストレージサービスで、次のような特徴があります。

  • 大容量データを低価格で保管可能
  • 99.999999999%の高い堅牢性による高信頼のストレージ
  • 容量上限を気にせずにスケーラブルに大容量データを保管可能

利用ディスク容量に対してのみ料金が発生するため、事前の費用見積もりが容易というのもCloudnの大きな特徴です。多くの他社サービスでは課金対象となるネットワーク転送料金が、Cloudnでは無料です。この点は、バックアップ先として利用する場合に大きな利点となります。
バックアップの仕組みを構築する場合、バックアップ先から正常にリストアできることの事前確認が重要です。この確認には、システムが期待した通りに動作するかというテストの側面と、利用者がシステムの操作方法に慣れるためという側面があります。クラウドサービスにバックアップされたデータからリストアするにはネットワーク転送(ダウンロード)が発生しますが、CloudnのObject Storageではこれが無料です。このため、費用を気にせず十分にテストを行うことができます。もちろん、実運用時にリストアする場合も費用が発生しません。

3. qBackupについて

qBackupはクオリード株式会社が開発・販売するファイルバックアップソフトウェアです。Windows/Mac/Linuxで動作し、クラウドストレージ、ファイルシステム、SFTPサーバーへのバックアップに対応しています。

バックアップデータはAES-256bitで暗号化することができます。また、データの中身を暗号化するだけではなく、ファイル名も識別できない形でバックアップされます。このため、クラウドストレージのような外部サービスを利用する場合でも安全にデータを保管することができます。

さらにqBackupはバックアップ対象のファイルサイズ、ファイル数、種類によらず高速にバックアップすることができます。圧縮およびブロックレベルの重複排除機能によりバックアップサイズを削減することができます。これは、クラウドストレージのような従量料金制のサービスを利用する際には特に重要なポイントです。

また、qBackupはバックグラウンドで常駐するサービスを必要としません。コンピュータのリソースを消費するのはバックアップ実行時だけのため、コンピュータへの影響を最小限に抑えることができます。

4. システム構成

今回ご説明するオフサイト・バックアップの構成です。

以下、バックアップの仕組みの構築およびバックアップ・リストアを行う手順をご説明します。

5. Cloudn Object Storageの準備

Cloudn ポータルにログインし、 [Object Storage] アイコンにマウスオーバーすると表示される [利用開始する] をクリックします。

Object Storageサービスが利用開始されると「ご利用中」と表示されます。

Cloudn ポータルの一番下の [portal contents] から [APIアクセスキー・秘密鍵管理] をクリックします。

表示されるページで [アクセスキーID] と [秘密鍵] を確認します。

qBackup から Object Storage へのアクセスには、ここで確認したアクセスキーID と秘密鍵を使用します。

6. qBackupのインストール

qBackupのWebサイト(https://www.qualeed.com/ja/qbackup/)からインストーラーをダウンロードします。ダウンロードが完了したらインストーラーを実行し、表示される画面に従いインストールを完了します。

7. プロジェクト(バックアップ設定)を作成する

qBackupを起動し、ツールバーの [新規] をクリックします。

表示されるプロジェクト作成画面で [プロジェクト名] を指定します。

バックアップ対象ファイルの設定

[対象ファイル] を選択し、バックアップ対象とするファイル・フォルダーを指定します。
ファイルボタンをクリックすることでファイル、フォルダーアイコンをクリックすることでフォルダーを追加することができます。

  • ※ファイル、フォルダーは任意の数指定することができます。
  • ※バックアップ実行後に対象ファイルを追加・削除することもできます。

バックアップ先の設定

[バックアップ先] を選択し、各項目を設定します。

項目 説明
ストレージの種類 S3互換ストレージ
認証情報 アクセスキーIDとシークレットアクセスキーを使用する
-アクセスキーID Cloudn ポータルで確認したアクセスキーID
-シークレットアクセスキー Cloudn ポータルで確認した秘密鍵
エンドポイント 入力欄右側の […] ボタンをクリックして表示される画面で「NTTコミュニケーションズ Cloudn Object Storage」を選択
バケット名 バケット名はObject Storage全体で一意なものを指定する必要があります。Object Storageの他のユーザーが使用しているバケット名を指定すると、バックアップ時にエラーが表示されます。エラーが表示された場合は別のバケット名を指定してください。バケットが存在しない場合はバックアップの実行時に自動的に作成されます。事前にObject Storageのコントロールパネルで作成したバケットを指定することもできます。
プレフィックス 入力はオプションです。一つのバケットに複数のバックアップを作成する場合に入力してください。

オプション設定

[オプション] を選択し、必要に応じて各項目を設定します。初期状態のままでもバックアップが可能です。バックアップデータを暗号化する場合は設定を変更してください。

設定が終了したら [OK] をクリックして保存します。

8. バックアップを実行する

作成したプロジェクトを選択します。ツールバーの [バックアップ] をクリックすると、バックアップが開始されます。

バックアップ中は画面に処理状況が表示されます。

バックアップが終了すると処理状況が [完了] になります。
2回目以降のバックアップは、前回のバックアップからの変更分のみバックアップされます(増分バックアップ)。

9. バックアップしたファイルをリストアする

任意の時点のバックアップからリストアすることができます。
リストア対象とするバックアップを選択し、ツールバーの [ストレージ] をクリックします。

ストレージにバックアップされたファイルが表示されます。
リストアするファイルを選択し、[リストア] をクリックします。

  • ※フォルダーをダブルクリックすることでリストア対象のファイル・フォルダーが存在する階層まで移動することができます。

表示される画面でリストア先などの条件を入力し [OK] をクリックします。

バックアップ時と同様に処理状況が表示されます。

Cloudn Object StorageとqBackupを使用したオフサイト・バックアップの手順は以上です。詳細についてはそれぞれのマニュアル等を参照してください。